ごあいさつ

取締役社長の福田でございます。
日ごろから東急電鉄の事業活動にご理解を賜り、厚く御礼を申し上げます。

当社は東京都西南部から神奈川県東部に、計9路線、営業キロ110.7kmの鉄軌道路線を運営しており、特徴としては各路線が都心の地下鉄に直通し、首都圏郊外部と都心を繋ぐ鉄道ネットワークを構築しております。2023年3月には新たに「東急新横浜線」が開業、相模鉄道との相互直通運転の開始等、さらなる鉄道ネットワークの拡充を進めております。

当社の沿線には約550万人の方々にお住い頂き、毎日多くのお客さまにご利用頂く公共交通機関としての責務を果たすべく、安全を最優先に日々事業に取り組んでおります。今般、新型コロナウイルス感染症の拡大によりお客さまは大幅に減少し、2019年度の輸送人員約12億人に対し、2021年度は9億人を割り込む水準と、厳しい経営環境にありますが、どのような環境下においても変わらない最重要の価値が「安全」です。引き続き安全を最重要事項に位置づけ、今後も安全投資や人材育成に積極的に取り組み、お客さまに東急線を安全に、安心してご利用頂けるよう努めて参ります。

コロナ禍においてテレワークの普及をはじめ、お客さまの行動が大きく変容しております。これに対し、引き続き当社の中期事業戦略「3つの変革・4つの価値」に基づき、固定費が高い事業特性を持つ鉄道事業のコスト構造を抜本的に見直すことで事業基盤の強靭化を進めるとともに、アフターコロナの時代における新しいライフスタイルに対応した新たな価値の提供にチャレンジして参ります。

 

事業構造変革においては固定費削減の成果が着実に出ておりますが、輸送人員がコロナ前の水準に戻ることは難しいと想定されること、また、長期的には少子高齢化による人口減少が予測されておりますので、今後の未来のためにも変革の完遂が必要と考えており、東横線ワンマン化の早期実現、駅のオペレーションや鉄道設備保全のDX化等、高水準の安全性・サービスと業務効率化を両立して力強く進めて参ります。

 

新たな価値の提供へのチャレンジについては、引き続き安全性の維持・向上のため、鉄道設備の健全性維持、セキュリティ強化や自然災害対策等を着実に進めて参ります。さらには2022年度より実施しております当社全線再生エネルギー100%をはじめとした環境貢献施策や循環型社会実現に向けた取り組みや、あらゆるお客さまがひとしく利用しやすい鉄道サービスの実現、東急新横浜線開業による鉄道ネットワークの拡充、駅空間の整備やデジタル技術による鉄道ネットワークの更なる有効活用等の新たなサービスを展開して人・街・暮らしを繋げた活気ある街づくりへの貢献を目指して参ります。

最後に、東急グループは2022年9月2日に創立100周年を迎えました。100年もの長い期間ご愛顧頂いておりますお客さまをはじめとした全てのステークホルダーに深く感謝するとともに、先人たちが築き上げた財産をしっかりと受け継ぎ、今後も変わりゆく社会にしっかり向き合いながら、次の100年も企業として進化し続け、「日本一の街の日本一の鉄道」を目指して参ります。

今後とも当社の事業活動にご愛顧とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。